【失敗しないための冷却水交換】
交換しなかった原付の末路
っという事で、今回は冷却水交換をしなかった原付がたったの1万kmで廃車寸前という話をしたいと思います。
なんとなく誰でもわかりやすいように構造についても説明させて頂きますので、ご自身の愛車整備の参考にしてくださいね。
オイルキャップを外したら漏れてくる冷却水?!
まずは写真をご覧ください。

なぜそうなるのか?
これについて説明していきますね。
整備入庫の経緯
タイヤがパンクとの事で入庫しました。
新規のお客様でした。
タイヤを見ても、バイクを見ても全く整備をしていないように見えました。。
交換したタイヤがこちらです。
新規のお客様でした。
タイヤを見ても、バイクを見ても全く整備をしていないように見えました。。
交換したタイヤがこちらです。
もう少し早く交換した方が良いですね。
タイヤ交換のご依頼を受けました。
そして、メーター内の赤いランプが点いてしまうので何か故障ではないか?というので見てみると冷却水量の警告灯でした。
また、走行中にエンジンが止まることも多々あると言っておりました。
「大至急冷却水の交換をした方がいいですよ。エンジンが止まるというところに関しては修理になるのでお預かりになります」
とお伝えすると、ひとまずタイヤだけ交換して、あとは来月整備するとの事で、また15時頃取りに戻ると言ってお仕事に向かいました。
そして、タイヤ交換をすすめていると電話が鳴りました。
先ほどのお客様でした。
やはり冷却水も交換しておいてほしいとの事。
っという事で、冷却水の交換依頼もお受けすることとなりました。
冷却水が入ってない!?
補充すると大量にドンドン入っていく冷却水?!
早速、冷却水の抜き取りをしようとドレンボルトを緩めようとするも固着しておりましたので、ラジエータ部のホースを外しました。出てきた冷却水は茶色い水が数滴。
冷却水は全く入っておりませんでした。
リザーバタンク内も全く入っておりません。
仕方がないので、冷却水を補充し、しばらくエンジンを始動させた後、また抜き取り、再度交換という形で簡単なフラッシングもサービスでやってあげようと、冷却水の補充を始めました。
すると、冷却水が300㏄、うんうん、600㏄、ん?、800㏄、え?、1000㏄、いや絶対おかしいな、そんなに冷却水が入るはずがないだろ!?
もしや、っとオイルキャップを外してみたら
いまラジエータ内に入れたはずの冷却水が出てきました。
冷却水の通り道とオイル室の関係性
まずは誰でもわかりやすいように冷却水の通り道とオイル室の関係性について簡単に説明します。冷却水はウォーターポンプによってエンジン内部、つまりシリンダー等の熱を持つところの周りを循環しております。
そのポンプを動かしているギアはエンジンの動力を利用するためオイル室にあります。
つまり、冷却水を循環させるためのウォーターポンプはシャフトを介してオイル室とながっております。
なので、その隙間からオイルや冷却水が行き来しないようにするためにメカニカルシールという物があります。
当然、回転部分なのでベアリングもついています。
なぜ?オイル室に冷却水が入り込んだのか?
前章の話でだいたいの方は既に分かっていると思いますが、そうオイル室と冷却水の通り道を密閉しているメカニカルシールの不良で冷却水がオイル室に入ってしまったのです。では、なぜメカニカルシールが不良を起こしてしまったのか?
それは正確には分解して確認する必要がありますので、経験からの想像になりますが、全く冷却水を交換していなかったという経緯から、おそらく本来は防錆効果もある冷却水が劣化し本来の性能を保てなくなり、ウォーターポンプのシャフトが錆びてしまった。
その錆びによってメカニカルシールを傷つけてしまったという可能性も有りますが、今回の異常な漏れはシャフトが錆びて痩せてしまっていると思います。
また、想像するにベアリングも破損している可能性も高いですね。
そして、その破損したベアリングはエンジン内に脱落していると思います。
さらには冷却水が入っていない状態でこの夏を走っていたという事、また度々走行中にエンジンが止まってしまうというお客様の証言からシリンダー等が傷だらけになっている可能性も濃厚です。
お客様には上記の内容を簡単に電話でお伝えし、修理もできるが、相当な費用がかかる可能性が高い、買い替えてしまった方が良い旨と、もしこのまま乗るようであれば、最低限オイル交換をして、冷却水が入ってない状態でいつか壊れるまで乗るしかないと伝えました。
今回は、ひとまずだましだまし壊れるまで乗るという事となりました。
まだ、走行1万キロ
ちゃんとメンテナンスしていればまだまだ乗れるバイクなので、ちょっともったいないですね。
前に当店で新車で購入してくれたアドレスV125、なぜか?オイル交換をお勧めしても一切交換せずに1万キロで壊してしまったお客様を思い出しました。
皆様、メンテナンスはちゃんとやりましょう。
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